配合量は、サプリの良し悪しを決めない!

今回は、サプリメントの配合量についてのお話を改めて。サプリメントの良し悪しを何が決めるのか、これは永遠のテーマです。効果を感じるものが良い人もいるし、安心して飲めるものが欲しいという場合もあります。女性であれば、粒が小さく飲み込みやすい、という理由を挙げる方も多いかも知れません。ですが、「たくさん栄養がとれそう」というニーズは、みなさんに共通していると思います。

サプリメントをはじめたい人向けに、マルチビタミン・マルチミネラルから始めようといったオススメ記事を目にすることがあります。たくさんの栄養素が一度に摂れるマルチサプリメントは、栄養学的にも理にかなった配合設計になっており、私自身も愛用しています。ですが世間的には、「初心者用」というレッテルが貼られているような。。。

そもそも私たちが食品から摂取し吸収している栄養素というのは、単体で身体に作用するというより、いくつかの栄養素が協力しあって作用する傾向があります。例えば、骨がカルシウムからできていることは、周知の事実です。では、骨をつくるとき、腸管からのカルシウム吸収を助ける「ビタミンD」と、体内に取り込んだカルシウムの骨沈着の際に必要な「ビタミンK」が、働いていることはご存知でしたか?これと同じ様に、エネルギーを生んだり筋肉を作ったりするときも、いくつかの栄養素が協力しないと、身体は上手く機能することができないんです。

例えるならば、栄養素は野球やサッカーの選手。彼らは様々なポジションで自分自身の役割を担っており、そもそもメンバーが揃っていないと試合そもそものが成立しません。
マルチサプリメントは、先ずこうしたメンバー不在(特定の栄養不足)を解消し、きちんとチームとして働く状態にするためには、非常に有効な配合だと私は考えています。決して、初心者用のチープな商品カテゴリーではないんです!

お話を元に戻しましょう。配合量が多いサプリメントは、良いサプリメントなのか?
野菜を1日300g!という目標値があるくらいですから、多くの栄養を摂ることができる高配合のサプリメントには確かにメリットがあります。ただし、チームとして、協力してくれるメンバーがいないとしたら……それ、勿体なさすぎますよね。つまり、配合量が多いサプリメントは良いのか/悪いのかというよりも、その持ち味を活かせるのか/活かせないのか、という視点を立つことが大事なんです。

チームスポーツにおいて、スター選手が1人で勝てることは決してないでしょう。スター選手だけで勝っているように見えていても、その陰にはきちんと活躍のお膳立てをしている選手が必ずいるものです。
サプリメントも、配合量の高さだけに囚われるのではなく、縁の下の栄養素も含め、それぞれがきちんと活躍してくれるのかに注目をする「監督目線」で良し悪しを判断することが大切です。

その上で、「美白を目指したいからビタミンCをもっと摂る」とか「食事に糖質がおおくなりやすいからビタミンB1を増やしておくか」なんて、特定ポジションの栄養量を増やすことが大事なのです。

最後に、マーケティングの観点から「配合量」について一言。
コレは私自身が消費者として気を付けていることですが、「〇〇mg配合〜」「△△個分の〜」の謳い文句を見た際には、一度立ち止まって考えるようにしています。1日の推奨量よりも多くの栄養素が摂れる、のかもしれませんが、もしかすると単に書いてある(意味は特にない)場合もあるからです。

配合量を明記することは、消費者にとっても有益なことですし、法律でも義務づけられています。一方で、私たちは「具体的な数字を見ると信頼してしまう」心理学的なクセを持ち合わせています。数字に弱い、それが人間の性質。だからこそ、「で、結局その配合量にどんな意味が?」という問いが、効いてくるわけです。一歩引いてみることで、賢い選択・スマートな決断をしていきましょう!