「1/fゆらぎ🎶」は日常生活で簡単に感じられる!

1/fゆらぎ(エフぶんのいちゆらぎ)。クラシック音楽や有名な歌手の声に潜んでいて、リラックス効果をもたらす「何か」である――ぐらいの知識しか持ち合わせていなかったのですが、調べてみるとものすごーく奥深い世界。今回のメールマガジンだけで全容をお伝えするのは難しいのですが、その一端をご紹介できればと思います。

 

そもそも「1/f(エフぶんのいち)」という言葉自体が謎です。この「f」、実はfrequency=周波数の頭文字のことだそうで、「1/f」を物理学的に定義すると「パワーが、周波数(f)に対して反比例すること」となります。
そっとこのメールを閉じようとしているアナタ!ちょっとお待ちください。もう少しだけ理解しやすいよう「1/fゆらぎ」について噛み砕いきますので。

まずは、周囲の音に耳をすませてみてください。どんな音が聞こえるでしょうか?時計の針、窓の外の鳥、通り過ぎる車、誰かの話し声。その全ての音には2つの要素があるはずです。そう「大きさ」と「高さ」です。

理科のおさらいになりますが、音の大きさと高さを機械的に解析すると「波の形」をしているのを覚えていますか?空気が振動してできた「波」こそが音の正体で、高い波は大きなパワーを持ち「音の大きさ」を作ります。対して、波の間隔(振動幅)が近いと「音が高く」聞こえる性質を持っています。この波の間隔を示したものが「周波数=frequency」です。

・音の大きさ 単位:dB(デシベル)音がもつパワーと関係
・音の高さ  単位:Hz(ヘルツ) 音波が1分間に振動する数、周波数

ここまで来たら、1/fゆらぎの正体まで、もうあと少しです。

 

結論から、ものすごーくざっくり言ってしまうと、「1/fゆらぎ音」はいくつもの「低い&大きい音」「中間音」「高い&小さい音」が、段階的なグラデーションで絶妙に絡まった時に発生します。
「音が低周波(低い音)に近づくほど大きくなり、高周波(高い音)になるにつれて小さくなる」と1/fゆらぎが観測されるんです。

もう少し説明してみましょう。
人工的な音は、一定の高さと大きさを維持できますが、自然音は微妙に高さと大きさは変化し続けています。こうした音に「低い&大きい」「高い&小さい」が織り込まれた状態、それが1/fにゆらいだ音の正体です。

イメージを膨らませてみましょう。
音の波が一定間隔で上下する、規則正しい音の波があります。ここに1/fゆらぎはありません。
一方、微妙に高さと間隔が変化し、波が高くなるときだけ間隔がゆっくりに、波が低くなるときは間隔がつまるようになっている波。平均的な高さと間隔は維持されている一方で、細部においては常に変化している波。この時に1/fゆらぎが観測されます。

つまり、規則性をもっているようで、部分的には意外性をもっている、そんな状態が「1/fゆらぎ」なんです。

 

じつは「1/fゆらぎ」は、木漏れ日、炎の揺れ方、ホタルの発光パターンなど、「音」にまつわる現象以外にも観測され、脈拍や脳波といった生体現象も「1/fゆらぎ」をもっているんだそうです。
つまり生体のリズムは基本的に「1/fゆらぎ」がある状態。だからこそ私たちが特定の音や光といった外界刺激に、快感や安らぎを感じてしまうのは、自分たちと同じ「1/fゆらぎ」を感じとっているからではないか、という説が濃厚のようです。
自身が内にもつリズムを世界から感じとる。一種の共感・共鳴といえばよいでしょうか。

というわけで、ちょっとお疲れの際には窓から木漏れ日を感じたり、キャンドルの炎をぼーっと見るだけでも、1/fゆらぎは感じられちゃいます。意外と身近な存在でもあるんですね。