【前編】一日三食は
コンディショニングの最適解?

テーマは「一日三食」。厚生労働省も推奨する「一日三食」ですが、巷には「一日一食」や「一日五食」を正とする意見もあります。
さてこの一日三食、実はいろいろと複雑な事情が入り組んでおり、「良いの?悪いの?」と急いで判断してしまうその前には、どうしても歴史的な前提を押さえておく必要があるんです。

今回は、【前編】/【後編】2部構成で、なぜ一日三食が基本になっているのか?に迫ってみましょう。

近代に入るまで日本のみならずヨーロッパでも、「一日二食」文化が一般的だったというのは本当です。

その理由を調べてみると、「調理」が現在と比べかなりの重労働だったとか、灯りが普及しておらず労働時間が短いので二食でこと足りた、などが挙げられます。健康のため・栄養のためというより、どちらかといえばライフスタイルと関係しています。

ちなみにですが、「一日二食」をいつ摂るのかは、地域によって差がありました。
日本では「朝食と夕食」、ヨーロッパでは「昼食と夕食」に2回に分けた食事が基本。
一日三食が定着するとともに、次のように変化したそうです。

日本でランチは軽め派の人が多いのも、ヨーロッパ型の朝食が少量なのも、後から追加された食事だからだと指摘する専門家もいます。ライフスタイルと食事は切っても切り離せないものなんですね。

日本で一日三食の文化が根付いたのも、江戸時代の「ライフスタイル変化説」が有力です。
きっかけの一つが照明用の菜種油の普及。夜遅くまで活動できるようになったことで夕食の時間が後ろにずれて、朝食と夕食のあいだに昼食を食べるようになったという訳です。

日本でようやく「健康のため」にと一日三食がすすめられるようになったのは昭和にはいってからです。

当時、世界ではじめて栄養学を提唱した「栄養学の父」佐伯矩(ただす)博士によって「日本人は欧米人に比べ体格が小さく、その原因は摂取カロリーが不足している」という説が発表され、健康的な体格を目指すためには一日三食が理想であるとされました。
さらに、必要な栄養素を3回に分けて摂る際、糖質、脂質、 タンパク質を別々ではなく、毎回の食事でバランスよく摂るほうが栄養効率が高いことも指摘されています。

「一日三食=健康」の常識はこうした流れを組んでいます。
ですが、佐伯博士が提唱した「一日三食」は摂取カロリーをきちんと補うことを目的とした食事法であることを忘れてはいけませんし、ライフスタイルや食事がこの数十年間で大きく変化していることも考慮すべきです。
(佐伯博士が予想できるレベルを超えて食生活の変化は著しいと思います)

結論、「一日三食こそが理想」と言えるのでしょうか?
実はごく最近生まれたスタンダードであること、そして国内で提唱された当時は不足しがちなカロリーを摂る目的から始まっていること。歴史的には必ずしも絶対に正しい食事法だとは言い切れなさそうですね。
次週は、さらに一歩ふみこんだ科学の目線から「一日三食」の光と陰を追ってみたいと思います。お楽しみに!