和食は世界でも屈指のヘルシー食だ!と耳することがありますよね。感覚的に、和食=健康そう、という意見には賛同できます。根拠としてあげられるのが「PFCバランスの良さ」です。
今回はPFCバランスの視点から、ヘルシーな食事について探ってみましょう。
PFCバランスとは、私たちが食品から得る摂取カロリーのうち、三大栄養素の「P=たんぱく質」「F=脂肪」「C=炭水化物」がどれくらいの割合を占めるかを示す指標です。以前メールマガジンでも、1980年代の日本型食生活はPFCバランスのとれた食事スタイルである、というご紹介をしましたね。
実は栄養学の見地から、健康を維持しパフォーマンスを上げていくための理想的なPFCバランスは、次のように示唆されています。[ ] 内は範囲を示します。
PFCバランスを元にした「ヘルシー食」というのは、この比率に近い食事を指します。主食・主菜・副菜を基本とする和食は、たまたまPFCバランスが理想的であるがゆえに「健康的」と言われる訳です。そう考えると、ファストフードでもコンビニ食でもPFCバランス理想的であれば「健康的な食事」と言えるかも知れません。
国連の専門機関の一つである国連食糧農業機関(FAO)のデータを見てみますと、やはり日本国内におけるPFCバランスは比較的良好だと言えそうです。同じアジア地域の中国も理想に近い栄養バランスです。対して、イタリア・フランス・アメリカといった欧米諸国は、脂質からの摂取割合が高いことが分かります。
ただし、こうしたデータだけで「和食=健康」「洋食=不健康」と判断するのは早計です。
確かに、日本国内でのPFCバランスは理想に近いのですが、献立ひとつひとつで見ていくと、和食であってもPFCバランスは必ずしも理想のバランスとはいえません。例えばですが、肉じゃがは脂質比率が高いですし、ホウレン草のお浸しはたんぱく質偏重です。
和食はPFCバランスが優れていてヘルシーだ、と言われている理由は、料理単品の栄養バランスが良いというよりも、どうやら「主食・主菜・副菜」といった食べ方に秘密がありそうです。
つまり、どの国/地域の食事であっても、あまつさえ不健康と見られがちな外食やコンビニ食であっても、PFCのバランスを大切にすることで「健康的な食事」に近づける道がある、という点が重要です。
念の為ですが、PFCバランスはあくまでも健康的な食事指標のひとつに過ぎませんので、これだけで健康か否かを判断するのは早計だ、というのは改めて理解しておいて欲しいと思います。